製造業の方は、KKDという言葉をご存じかと思います。
K(経験)、K(勘)、D(度胸)の頭文字をとっています。
だいたいこんなもん、エイヤーで仕事をすることです。
量産加工の分野では、避けるべきものという扱いです。
かたや一品加工の分野では、ふつうの仕事の進め方です。
生産性向上にも関わることなので、避けられない話題です。
このやり方のどこに問題があるのか、これからお話します。
・ 再現性のない仕事である
・ 仕事の記録を残すべし
・ 不具合対策には使ってはいけない
再現性のない仕事である
一品加工の分野とKKDは相性が良く、ふつうに行われています。
一品というだけあって、その一回きりという仕事も多いからです。
難易度が高く、まともにやってもうまくいかない加工品もあります。
そういうものに限って、試行錯誤の時間もないくらい短納期です。
ぶっつけ本番、勘でやったらうまくいった、という例も多々あります。
だから一概に否定されるべきものではないのもたしかです。
しかしながらKKDの良くない点は、再現性がないことです。
前回は偶々うまくできたかもしれない、では次はどうであろうか。
製造業の世界では、調子が悪かったでは済まさせれません。
工業製品ですから、常に同じ品質であることが求められます。
仕事の記録を残すべし
難易度の高い加工を、KKDでなんとかやり切ったとします。
問題は、もう一度製作してほしい、と言われた時です。
忘れた頃になって、リピート注文が入るのはよくある話です。
記録も残っていなかったとしたらどうでしょうか。
うろ覚えの記憶を頼りに製作することを余儀なくされます。
前回同様の品質を保てるのかどうか、その時次第です。
人の記憶なんて、あやふやなものです。
せっかく確立したノウハウも、時間が経てば忘れてしまいます。
それでは加工したという事実は残っても、実績にはなりません。
まして他の加工者への展開など、のぞむべくもなく。
だから、どんな形でもいいので、記録に残すこと。
工順、切削条件、留意した点、その他気付いたこと。
記録があれば、さらなる上積みも期待できます。
不具合対策には使ってはいけない
加工ではなく、不具合発生時の対策について考えてみます。
原因究明と対策の検討を、KKDで行うのは危険です。
なぜなら、運任せの対応になってしまうからです。
要因洗い出しの過程は、それでもいいでしょう。
しかし分析し、原因を特定する段階で使ってはならない。
担当者の主観でこれだ、と決めつけるのには問題があります。
ベテランの方ほど、過去の経験則から案が出やすいもの。
それでも、結論ありきで進めるのはよろしくありません。
いろんな角度から、とらわれない発想で検証する必要があります。
うまくいけばいいのですが、勘が外れていたら永久に解決しません。
忘れた頃に、同じような事象が再発することにもなりかねません。
不具合の元を絶たねば、モグラ叩きのような状態になります。
まとめ
KKDの是非を考えても、量産と一品加工の違いが分かります。
一概に否定すべきものではありませんが、使いどころを考えること。
やり方が決まっていない、難易度の高い加工には適しています。
量産品、リピート品などを経験や勘で生産してはならない。
不具合の要因洗い出しの段階では、それでもいいでしょう。
分析し、対策を検討するようになったら、理詰めで行う必要があります。
